南極ツアーで最高のお天気となったパラダイス湾を後にした翌日 空は再び重い雲に覆われる寒い朝を迎えました(朝で気温1℃ほど) それでも南極沿岸にいる分には天国(?) 海は穏やかで通り過ぎる無数の氷山は曇天でも美しく、白黒の山水画のような風景も趣があります
しかし、貼り出された予定表を見に行くと午前中のアクティビティーはクーバービル島上陸とありましたが、午後の予定は未定となっていました ムムム… 何故に未定? そんな疑問から始まる南極ツアー6日目のお話です
(2018.11.05~2018.11.14現在)
船長 語る
乗船6日目のスケジュール
昨日の青空は半日しか続かず、空は再びどんよりとした雲に覆われる中、6日目がスタート
7:00~ 朝食スタート
8:30~ 午前中の活動についてのブリーフィング
クーバービル島上陸に向けての説明がありましたが午後については検討中とのコトでした
9:20~ 通算4回目の船外活動スタート クーバービル島
GroupA・B クーバ―ビル島、ゾディアックツアー時間差にて
12:00~ ランチ コーンスープ、シーフドライス、オレンジタルト
15:00~ 今後の予定についての説明
ドレーク海峡に再び嵐接近!! との報告 それも来た時よりデカい奴
ウシュアイアに戻るコース上のデセプション島が最後の活動になる旨の説明
16:00~ 夕食スタート
21:00~ 通算5回目の船外活動スタート デセプション島
告げられた決断
結論から言ってしまうとこの日が予定より1日早い南極最後の日となってしまいました
昼過ぎのブリーフィング時に船長から最新の気象情報についての説明が行われ、ドレーク海峡通過予定時に大きな嵐に遭遇する状況にあると告げれました
明日1日を予定通りのツアー活動に充ててしまうとウシュアイアに帰る際、ドレーク海峡のちょうど真ん中で一番悪い状況に遭遇してしまう恐れがあると説明がありました
最悪の場合、波が14mに達する恐れがあると・・・
因みに波のレベルは0~9まであり 9m~14mの波は8レベル「非常に荒れている状態」となるそうです
そんな状況での航海はとても危険で嵐を先回りするか、通過する頃に南極を離れるしかないと…
しかし、通過を待てば帰りの飛行機に乗れない人が出てしまう為、1日早く出発することが最善だと告げられました
船長の話を聞き全員の顔が暗くなりました
くうぅぅぅぅ
来る時も1日短縮され、今度は1日早く帰らないといけない
高いお金を払って来たのに南極での活動が丸2日分消えるとは全員にとってショックな話でした
しかし、他の選択肢は考えにくく 6日目の活動終了をもって帰港することになりました
当日の様子

この日最初の上陸地、クーバービル島へ向かいます (パラダイスベイから約25kmホド)
クーバービル島は南極半島では最大のペンギンコロニー 島に近づくと活発に泳いでいるペンギンが沢山いました
9:30 クーバービル島に上陸 ここでも私たちが今季初上陸者
最大のコロニー地だけあって島の至るところペンギンだらけ おびただしい数のペンギンです!!
パノラマで見るとこんな感じ 数が多いだけに青臭さもキョーレツ
反対方向もペンギンに次ぐペンギン
そんなペンギンを観察する人間 ペンギンは全く人間を意に介しません
ペンギンと氷山はやっぱり絵になります 曇っていても氷山は青いんです!!
海上をジャンプしながら泳ぐ最速スイマーのジェンツーペンギン達
ペンギンはお好みでクリックして下さい
ウェッデルアザラシさん 今回のツアー中一番近くで見ることができました
ゾディアックツアー
10:30 ゾディアックによる洋上ツアー開始
巨大な氷山と雪を被る山塊 高さは数百m程度ですがとてもダイナミックに感じます
ここではヒョウアザラシを見ることができました 南海のギャングとして知られ温血動物を捕食する唯一のアザラシです

海岸から結構な雪の傾斜を登るペンギン達
湾に浮かぶ氷山がこれまた美しい青! 晴れていたらどれだけ綺麗だったことでしょう
水面下の氷山の大きいこと 氷山の一角とはよく言ったものです
並んで泳ぐナンキョクウと島のペンギン達 この島は本当にあらゆる場所にペンギンが居ます
ゾディアックで近づいて青白い氷河を観察 時折静かな湾に氷のきしむ音が響きます
ウシュアイア号以外の人間はおらず、誰もいないリモート感がたまりません
高さ20m以上の氷河の先端 この氷はどれほどの年月でここに到達したのでしょうか?
氷河が海に押し出され、海を漂うことになる氷山になります ここから旅に出るのですね
動物たちにとってはここは南洋の楽園なのでしょう
11:00 30分の洋上ツアーを堪能しウシュアイア号に帰還
クルーが海上から持ち帰ったミリオネアアイス 何とも美しい模様の氷です

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デセプション島
乗船後、ウシュアイア号は次の目的地に向けて南極海を滑り出しました
先述した通り、次の目的地は約200km離れたデセプション島となります
15:00 予定繰上げ説明に続きデセプションについてのブリーフィング
この島は南極で泳ぐことを目的の一つにしていた人にとって最初で最後となる場所

ただし、島内の湾への入口が狭い上に急深による大きな寄せ波があり、コンディションによっては侵入できない可能性もあると言われました
再び・・・
道中は次第に雲が重くなり、気温も低下 一時雪が舞うコンディションになりました
やっぱり天候は崩れている 最後の上陸は果たせるのか??
夕食も済んだ20:30ようやくデセプション島入り江への水路に到着 クーバービル島からは8時間以上の航海
入り江には入れそうなコンディションだが時間があまりない・・・
21:00~ ゾディアックによる上陸開始 時間が時間なので滞在時間は1時間ホドと短いツアーになる
なので泳ぎたい人は泳ぐことに専念、それ以外は島内散策という2パターンに ゾディアック送迎もいつも以上にテキパキ
初観察のマダラフルマカモメ それほど大きくなく鳩を一回り大きくしたサイズ
ノルウェー捕鯨基地時代のタンク
捕鯨基地時代の設備 ラピュタの廃墟のようです
少し内地から振り返ったところ ペンギンは居ることは居ましたが数は圧倒的に少なかったです
この地で亡くなった方の墓標
20名以上のお墓があったそうですが噴火による火山灰で全て埋まってしまったそうです この墓標はその後立て直されたモノらしいです
雪や噴火の灰に耐え辛うじて残る家屋
あと数年後には朽ちてしまうだろう状態の居住スペースと朽ちずに残る料理オーブン
浜辺には沢山のオキアミが打ち上げられていました
暗がりの中 1匹のヒゲペンギンとデセプション島のフォスター湾に浮かぶウシュアイア号
南極水泳を果たす人たち
せっかく訪れた南極で泳いでみたいと思う人は多いようで 乗客の1/4の人が南極水泳(一瞬だけ浸かるのが精一杯)にチャレンジしていました
※温泉(温水)など関係なくフツーのちびたい海水でした

この時ばかりはドクターも下船して万全の体制でした
南極大陸上陸と南極水泳をセットでバケツリストにしている人は多いようです
船外活動が短縮された今回のツアーでは船長にとってもブラウン基地とデセプション島は外せなかった地点だと思います
22:00 すっかり陽も暮れてのウシュアイア号帰還

その後サウスシェトランド諸島を離れる前に暖かいシャワーを浴びてドレーク海峡に備えつつ就寝…
次はもっと上手に旅します
超まとめ
- キャプテンの言う事は絶対
- 南極水泳を体験したい人は水着持参(バスタオルは船で用意)
- 最大のペンギンコロニーがあるクーバービル島は臭いも最大級
- デセプション島は泳ぐのに適している場所だが入湾が難しい
関連リンク集
- 南極の野生動物たち クルーズライフサイト内コーナー
- デセプション島 Wikiペディア
- デセプション島の歴史 Youtubeビデオ(英語)