パタゴニアを代表する名峰フィッツ・ロイ周遊トレッキングの後半戦。 今回は、フィッツ・ロイ峰の裏側に隠れたもう一つの名峰「セロ・トーレ」を望むトーレ湖までの、Madre湖・Hija湖をつなぐトラバースルートと、De Agostiniキャンプ場からエル・チャルテンへ戻るまでの様子をまとめました。
どうしてもフィッツ・ロイが主役になりがちですが、セロ・トーレも負けず劣らず魅力的な山。 歩きやすいコースと氷河を抱いた鋭い山容は、時間に余裕があるならぜひ訪れてほしい絶景ルートです。
(2018.12.01現在 アルゼンチンの物価・為替レートは変動しやすいので参考程度にして下さい)

2018年当時の情報になります。 料金・リンク先等は大幅に変更になっている為、参考情報としてご理解ください。

 

2日目 De Agostiniキャンプ場へ

 

フィッツ・ロイ展望台 2登目

朝日で赤く染まるフィッツ・ロイが見られることを期待しつつ翌朝もビューポイントへ。

寅吉
寅吉
朝4時起床 4:30にはキャンプ場を出発しました。(もう少し早い方がいいみたいです)

ロス・トレス湖 2回目

05:50 キャンプ場より1時間20分でビューポイント到着。 残念ながら赤く染まるフィッツ・ロイは見られず…
曇り空でしたが昨日よりはフィッツ・ロイの山がはっきりと見えただけ良しとしました。

 

陽が射すか眺める人達

恨めしそうに東の空を見るトレッカーたち。 遠くの平野部は晴れているのですがこればかりは仕方がありません。

 

ロス・トレス湖に映る逆さフィッツ・ロイ

朝日に染まるフィッツ・ロイが撮れなかったかわりに湖に映る逆さフィッツ・ロイを撮影。 とりあえず絵になりました。

 

パノラマ

パノラマ風景はこんな感じ。 昨日よりコンディションが良かったので40分ほど滞在しました。

パイネといいパタゴニアの名峰は本当に絵になり、見ていて飽きません。

 

下山開始

06:30 下山開始 7:40にはPoincenotキャンプ場に帰還。 朝食を取り、テント撤収した後 9:00にキャンプ場を後にしました。
※本日のコースはCapri湖手前の分岐からMadre湖・Hija湖沿いにセロ・トーレ方向までのトラバースコースです。

寅吉
寅吉
赤フィッツ・ロイ狙いでPoincenotで粘る人も居るようですが老い先短い私たちは次へ

 

Poincenotキャンプ場~De Agostiniキャンプ場

Madre湖 Hija湖トラバース分岐ポイントへ

Madre湖・Hija湖方面への分岐に向かう途中よりフィッツ・ロイを望みます。
フィッツ・ロイを正面から見えるのはこの辺りまで。 セロ・トーレはちょうど裏手にありここからは見えません。

 

Madre湖 Hija湖 湖尻にて

最初の大きい湖はMadre湖 続く小さな湖がHija湖
Hija湖の湖畔まで来てしまうとフィッツ・ロイの姿はもう見ることはできません。 シンボル的な峰なのでちょっと寂しい気もします。

 

Madre湖とHija湖の中間

Madre湖とHija湖の境目。 地図上で見ればすぐ近くにある2つの湖ですが、何気に高低差がありました。
多くの人はフィッツ・ロイorセロ・トーレを町から単純往復するのでここを歩く人は少な目(テントを持つキャンプ組だけ)でした。

フィッツ・ロイとセロ・トーレを“繋いで歩ける”このルートは、日帰りでは味わえないキャンプ泊ならではの贅沢コースと言えるでしょう。

 

パン・デ・インディオ(Cyttaria darwinii)  パン・デ・インディオ(Cyttaria darwinii)

Hija湖から先の道中でパタゴニア地方おなじみのパン・デ・インディオが沢山見られました。
キノコの一種でヤーガン族の主食の一つだったそうで味は無味無臭とのことです。 どう食べてよいのか分かりませんが美味しいのでしょうか?

 

セロ・トーレ方面

フィッツ・ロイの代りにセロ・トーレ峰の姿が現れました。 町からの登山道との合流地まではこの地点からもう少し下る必要があります。

 

途中の標識

11:15 エル・チャルテンからの登山道と合流。 しばし休憩した後、2日目のキャンプ地 De Agostiniを目指します。

 

セロ・トーレ方面

合流地点からDe Agostiniキャンプ場まではほとんど平坦。 フィッツ・ロイコース同様のコースの2/3は殆ど平坦な道なので初心者でも安心して挑戦できます。

お鈴
お鈴
フィッツ・ロイのコースは高低差が少なく歩きやすいので初心者でも全然OKです

 

分岐標識

途中、分岐がありますが案内板がしっかりあるので迷うことなく歩くことができます。

 

分岐標識

12:15 合流地点からキャンプ場に到着。 町から日帰りで湖に行く人は真っ直ぐ進めばOK。

 

De Agostini キャンプ場

12:20 Poincenotキャンプ場より約11km 2日目の野営地 De Agostiniキャンプ場に到着♪

寅吉
寅吉
キャンプ場の写真を撮っていませんでした 看板裏手の森の中に自由に設営できます

 

Torres湖畔にて

トーレ湖畔より

テント設営し昼食を取った後、早速トーレ湖の散策へ。

お鈴
お鈴
湖の奥には氷河あり、崩れた氷山が流れ着く湖岸はIcebergs beachと呼ばれています

 

Icebergs beach

トーレ湖のパノラマ風景。 氷河眺望ポイント(Maestri展望台)は右側の山手の森林際を奥の方までアクセスします。

 

セロ・トーレを望む

この日一番の陽射しを浴びたセロ・トーレ峰(3,128m) 鋭く切り立った峰の先端はフィッツ・ロイとはまた違った魅力です。

フィッツ・ロイが「荒々しい王様」なら、セロ・トーレは氷をまとった孤高の剣。  個人的にはこちらの方が「とても登れそうにない感」が強く、強烈な印象を受けました。

 

展望ポイントより

Maestri展望スポットへ向かう途中よりトーレ氷河を望む。(途中で引き返したのでMaestriポイントまでは行ってません)

寅吉
寅吉
フィッツ・ロイには負けますがセロ・トーレもカッコイイ!!  しかも立派な氷河付♪

 

パノラマ風景

パノラマではこんな感じ。 途中でズク(長野方言で「やる気」)がなくなって引き返してしまいました。

寅吉
寅吉
Icebergs beach から Maestri展望ポイント までは片道約2kmと何気に遠いんですよ

 

キツネ発見 エルチャルテン方面を望む

ガレ場でキツネと遭遇(左) エル・チャルテン方面を望む景色(右) 写真の通りコースはほとんど平となっています。

陽が射す限り湖畔で遊んでいましたが、夕方から天気が崩れ始めキャンプ場へ戻りました。 雨は降らなかったものの翌日にかけて猛烈な風が吹き荒れて2日目は終了。

パイネに続きフィッツ・ロイでもパタゴニアの風は健在。夜通しテントが揺れ続け、正直あまり眠れず…。

 

 

3日目トレッキング最終日

 

De Agostiniキャンプ場~エル・チャルテン

最終日は町まで約9kmの下山トレッキングのみ。

時間的にはたっぷり余裕があったのですがあまりの風の音に朝5時に起床。
私たちが張ったテント近くにあった大きな木がミシミシと音を立て、倒れてしまうような勢いの風だったので早めに下山することにしました。

お鈴
お鈴
キャンプ地は林の中でしたがそれにしても強い風でした

トレッキング道の様子

07:00 あまりに風が強すぎるのでまだ時間が早いにも関わらず下山開始。

 

エル・チャルテン方面 セロ・トーレス方面

トレッキング道の様子。 キャンプ地からしばらくは殆ど平坦な道を緩やか~に下って行きます。

 

セロ・トーレ眺望台

08:30 キャンプ場より約5.5km 途中のセロ・トーレ展望ポイントより最後となるセロ・トーレ峰を望みます。
キャンプ地からここまでの標高差は僅か72m。 一番の斜度があるのはここから町までの間の区間です。

 

Margarita展望台

次なるビュースポット Margarita展望台。 水流に沿って木々が生えており、マルガリータ滝を望むことができます。 ここまでくれば町まであと僅か。

 

トレッキング道の様子 トレッキング道の様子

坂道らしい坂道はセロ・トーレ展望ポイントから町までの区間。 約3.5kmで200mの高低差となります。

 

トーレ湖トレッキングのスタート地点の案内板。(町から少し登った所)
案内板にはマルガリータ滝展望台まで0.7km、セロ・トーレ展望台まで2.5km、Madre湖・Hija湖分岐まで5km、トーレ湖まで9kmとあります。

 

トーレ湖スタート地看板

エル・チャルテンからセロ・トーレへ向かう際のスタート看板がありました。 逆コースで回る方はこちらがスタート地点となります。

 

エル・チャルテンの町

09:40 エル・チャルテンの町に到着し2泊3日のトレッキングが終了しました。

 

町からの急坂

町から見たスタート看板の場所。(この斜面が一番急かもしれません…)

 

お鈴
お鈴
町でゆっくりランチを食べてから13:00発のエル・カラファテ行のバスで帰りました
エル・カラファテ16:15着にてフィッツ・ロイ遠征編はおしまい。 夕食はパタゴニアラム肉♪
寅吉
寅吉

 

トレッキングルート

今回のトレッキングルートは下記のような感じでした。 1日の歩行距離もちょうど良く、アップダウンもあまりハードでないのでフィッツ・ロイのトレッキングコースは非常に歩きやすいと感じました。

フィッツロイマップ

 

フィッツ・ロイとセロ・トーレ、パタゴニアを代表する二つの名峰を自分の足でつないだ今回の周遊ルート。 派手なアップダウンこそ少ないものの、雄大な山々と氷河湖、そしてパタゴニアらしい風景を存分に楽しめる素晴らしいコースでした。

歩きやすさと絶景のバランスが良く、テント泊が可能であればぜひ周回ルートで歩いてみることをおすすめします。

 

 

次はもっと上手に旅します

 

超まとめ

  • 鋭い山容に反してトレッキングルートの大部分が緩やかで歩きやすい
  • フィッツ・ロイだけ訪れる人が多いですがセロ・トーレもお勧め
  • 時間が許すなら町に滞在してフィッツ・ロイ、セロ・トーレそれぞれ往復するも良し
  • 晴れの日が少ないエリアなので晴れたらラッキーの勢いで臨みましょう
  • 町の快適度はエル・カラファテのほうが上(個人的な意見です)
  • 天気が良ければ全て良し

 

 

ここが変わったよ 2026年考察

 

1. パン・デ・インディオ(Pan de Indio)の秘密

ブログに登場するあの黄色いゴルフボールのようなキノコ(学名:Cyttaria darwinii)は、本当に食べられます!

  • 食べ方:基本は「生」でそのままかじります。 マジです!
  • 味と食感:ほんのり甘く、食感は熟していない桃やライチ、あるいは少しゴムのような弾力があるそうです。 現地ではサラダの具材にしたり、ジャムにしたりすることも。
  • 注意:熱を通すとドロドロの粘液状になってしまい、お世辞にも美味しいとは言えない状態になるため、加熱調理は厳禁
  • うんちく:かつて先住民(セルクナム族やヤーガン族)の大切なエネルギー源であり、発酵させてお酒を造ることもあったそうです。 まさに「インド人のパン」という名の通り、パタゴニアの森の恵みですね。

 

2. キャンプサイトの最新ルール(2026年)

入園料(約45,000 ARS〜)は有料化されましたが、ポインセノ(Poincenot)やデ・アゴスティーニ(De Agostini)などのキャンプサイト自体は、今も「予約不要・先着順(First Come, First Serve)」を維持

  • 現状:パイネ(チリ)が完全予約・有料制に移行したのに対し、エル・チャルテン側は「野趣・自由さ」をまだ残しています。
    近年のオーバーツーリズムにより、ピーク時(1〜2月)は夕方に行くとテントを張るスペースを探すのが困難なほど混雑します。 早めに到着して場所を確保するのが、現在の間違いのない鉄則です。

 

3. セロ・トーレ(Cerro Torre)の魅力とうんちく

フィッツ・ロイが「」なら、セロ・トーレは「気高き針」。 知名度ではフィッツ・ロイに負けますが、登山家や旅人を惹きつけてやまない独特の魅力があります。

  • 世界最難関の「尖塔」:垂直にそそり立つ花崗岩の塔は、かつて世界で最も登頂が困難な山と言われていました。頂上に鎮座する巨大な氷の塊(キノコ状の氷霜)が、登頂を阻む最後の門番となります。
  • 「疑惑」の初登頂:1959年の初登頂宣言が後に「嘘ではないか」と大論争を巻き起こした、ミステリアスな歴史を持っています。 この議論自体が映画や本の題材になるほど、ドラマに満ちた山です。
  • 「動」の絶景:フィッツ・ロイがどっしりとした構えなのに対し、セロ・トーレは手前に「ラグナ・トーレ」という氷河湖を抱え、湖面には氷山が浮かびます。 運が良ければ、氷河が崩落する音と共に、針のような山が湖面に映る「逆さセロ・トーレ」に出会えます。

 

あのパンのきのこはそのまま食べるのね 知っていたら挑戦してたかも?
お鈴
お鈴