ヨーロッパ最後の独裁国と呼ばれるベラルーシ 四半世紀以上に渡り権力の座に居座るルカシェンコ大統領は東欧きっての親露派 今なお元気いっぱいのレーニン像やソビエト連邦のモニュメントが残る社会主義国感満載のミンスク街歩き初日の様子をまとめてみました 不正選挙後の現在では雰囲気が変わっているかも知れませんがミンスクの街2019.07バージョン編デス
(2019.07.07)
ミンスク中央駅とバスターミナル
中央駅
ミンスク到着翌日は交通機関チケット手配からスタート 最初はミンスク中央駅へ 1873年に木造からスタートした駅で現在の駅は2002年に建て替えられたモノ 地下通路でメトロ線にアクセスでき1階にチケット売り場 正面大階段を登った2階が待合スペースとなっています
新しくて機能的な駅なのですが駅の雰囲気はちょっと独特 2000年を最近だな と思ってしまうのはイイ年の証拠
構内表示は英語表記がありチケット売り場等迷うことはありませんが駅員の英語はカタコト 英語が喋れてもコチラの地名発音が伝わらないので紙に行き先を書いて購入するのが最善です
ここで次の目的地 ウクライナ・キエフまでの寝台列車のチケットを購入 2人分で203.92Br(1人約5,500円ホド)
中央バスターミナル
引き続き翌日のネスヴィジ行きのチケットを購入する為にバスターミナルへ バスターミナルは少し離れたGalileo Mallの東側1階
ゴミ1つ落ちていない道路は空港からの道中で既に感心しましたが 交通マナーも世界的に見てもかなり上位に入るのではないのでしょうか? 赤信号を渡ろうとする歩行者は皆無、ドライバーのマナーも日本より上かもしれません ある意味いい意味で裏切られました
チケット売り場はターミナルの一番東端にあります 英語レベルは中央駅の窓口→バスターミナルの窓口→地下鉄の窓口の順かな?
ネスヴィジ行きのチケットは2人分で18.22Br(1人500円ホド)
バスターミナルの様子 黄色いバスは空港行のバス 電子掲示となっているので乗車は問題ナシ ターミナル内には売店、コーヒーコーナーありGalileo Mall内にマックもあるので何も不自由しないハズ トイレは使っていないので不明ですがショッピングモールのトイレは無料でした
ミンスク市内観光
独立大通り沿い
観光案内マップ 街のアチコチにこのような観光マップがあり思いのほか観光客誘致に力を入れている感じを受けましたが2020年の大統領不正疑問題・デモで西側諸国からの観光客は激減してることでしょう
駅から最初に訪れた見学場所独立広場と議事堂 なんの飾り気のないスターリン様式建築の巨大ビル 建物の中央上部には大きな国章ががありその上にベラルーシ国旗が見えます 建物は1934年に完成し、独立広場も同じ時期に整備されました なるほど雰囲気が完全に赤なワケです
議事堂前に立つレーニン像 多くの旧ソ連諸国では取り壊しの憂き目に遭っていますがベラルーシではまだまだ存命 ルカシェンコ大統領が権力の座にあるうちは安泰だと思いますがその先の運命はどうなることでしょう?
近くの派手な飾り付けの建物は政府系ビルかと思いましたが大学でした ベラルーシ国立大学もすぐ近くデス
国会議事堂の反対、ガラスドームの向こうに市庁舎(右隣りがベラルーシ国立大学) 政府系の建物だとは思いましたが味も素っ気もありません
ガラスドームの下は立派な地下3層階のショッピングモールがありました ケンタ・マック・バーガーキングはアチコチに出店していてちょっと意外 テナント店の商品は微妙な商品感でした
ガラスドームのすぐ近く 聖シモン 聖エレーナ教会 ゴシック様式とロマネスク様式が融合したカトリック教会 赤レンガの外観から「赤い教会」と呼ばれることも
地元の有力貴族の人が、亡くなった自身の子供 シモンとエレーナを悼むためにに1905~1910年にかけて建てられた教会なので聖人を悼んでいるワケではないとのコト
教会内 この日は日曜日だったのでミサに訪れている方が沢山いました
ソ連時代には教会としての使用が禁じられ長いこと映画館として使用されており、ソ連崩壊後の1990年に再び教会として復活したそうです つい最近ジャン
敷地の一角には長崎の浦上天主堂から贈られた鐘の記念碑があり、プレートには日本語とベラルーシ語で「ここに広島、長崎、福島の土を入れたカプセルが埋められている」とあります
世界最悪の原発事故として知られるチェルノブイリ原発はウクライナとベラルーシの国境近く 風向きの関係でベラルーシも大きな被害を受けています 核のない平和な世界を祈る為、日本からの土以外にもチェルノブイリや核実験が行われたニューメキシコなどの土も埋められているそうです
独立大通り 独立広場から国立図書館方面へ約9kmに渡り伸びる大通り ミンスクはワルシャワ~モスクワを結ぶ直線上にあった為、壊滅的に破壊された街 その後ゼロ状態から作られた街なので戦車が楽々通行できる広い大通りが第一に組み込まれました
かの悪名高きKGB本部オフィス(ベラルーシ国家保安委員会) うーんデカい!! バルト三国のオフィスの比ではありません
他の旧ソ連諸国ではすでに廃止されている組織が、ベラルーシでは今でも当時の機構を受け継いで運営されているそうです 恐ロシア(ロシアじゃないけど)
現大統領が在位している限りは変わらないのでしょうね
そしてまたレーニン像 訪れた2019年の選挙不正疑惑後では社会主義の象徴に対する市民の見方が変わったのでしょうか?
十月広場に面して立つ共和国宮殿 そこちらも社会主義ッ!! という面構え 名前から歴史のある建物かと思いきや完成は2001年とミレニアム物件(構想段階から完成まで25年だとか)
旧共産圏では文化的なイベントが行われる公共建築を宮殿と呼ぶ習慣があるのでヨーロッパの宮殿とは違って中身はコンサートホールです
大統領府周辺
ヤンカ・クパラ国立アカデミックシアター 1920年建築でミンスクに既存する劇場では最も古い劇場 訪れた際の印象はそこまでなかったのですが2020年の大統領不正選挙デモでここのスタッフ・俳優が抗議に参加し全員解雇されたニュースを聞き、あぁ あそこの・・・ と思ってしまいました
その劇場裏の公園アレクサンドロフキー広場 公園の中央に噴水があり真ん中にある白鳥と子供の像に向かってカエルが水を飛ばしています 何の変哲もない公園ですが像の下には1874というプレートがあます
この公園、実はミンスク市内の公園で一番古い公園だったりします これは流石に最近じゃない
大統領府 悪名高き独裁政権者アレクサンドル・ルカシェンコ大統領のお仕事場 選挙前だったのでピリピリした雰囲気はありませんでしたが今はどうなんでしょう?
T-34戦車 開放モニュメント 街中に戦車のオブジェなんて力の誇示かと思いましたが1944年のミンスク解放を記念した記念碑 もう少し平和的なデザインでもよいと思いますが…
ズヴィスロチ川周辺
社会主義ゴリゴリのデザインで世界で最もインパクトの強いケンタいう呼び声が高いKFC 建物の方が先だと思いますが元々は何のビルだったのか気になります 観光客にはお店よりインパクトがある外観が目的ですね 近くにはマック、バーガーキングがあり西洋バーガーチェーンの激戦区
そのケンタのすぐそばにある聖ペテロ・パウロ大聖堂 1613年建てられたミンスクに既存する最も古い正教会
正教会なので祭壇はイコン キンキラで神々しい この壁はイコノスタシス (聖障または聖画壁)と呼び、中央の門を王門と呼びます 王門は特別な時にしか開かれないので日本の御開帳のようなものですね
天井のフレスコ画 何度も戦火に見舞われた教会ですがオリジナルでしょうか? なんとも歴史がありそうな立派なフレスコ画が描かれていました
ネミガ駅まで戻り今度は反対(北方向)のトラエツカヤ旧市街区へ
第二次世界大戦でナチスドイツによって壊滅的に破壊されたミンスク 戦後、共産党政権下で再建された街は趣に欠ける無機質な建物ばかり… そんな中、大戦以前のミンスクの街並みを復活させようと1980年代に若者や学生のボランティアが中心になってかつてのヨーロッパ的な町並みを再生したエリア なので旧市街区と言いつつ実は新市街 何だかとんち話みたいだ
どちら様? 偉そうな御仁の銅像はJazep Drazdovič像 調べたらベラルーシ出身の署名な画家(1888-1954)でした
なるほどこの地区の建物だけ雰囲気が違います ナチスドイツに破壊される以前の雰囲気でミンスクが再生されていたらバルト三国の雰囲気に近かったのでしょうか?
歴史に“もし”はありませんがヒトラーが台頭しなかったらベラルーシの現在はどんな姿だったのでしょうか?
ズヴィスロチ川沿いの街並み 少しずつ近代的デザインのビルも建ち始めているようです
その対岸にはソ連感バリバリの迫力あるスターリン様式マンションが鎮座 左側のマンションの横幅はなんと400m!!
夜景が綺麗とのことで別の日に出かけて見ましたが22時を過ぎてもライトアップされず、諦めて帰ってきてしまいました
ズヴィスロチ川に作られた人工島 涙の島 にあるアフガニスタン出兵慰霊塔
1979~1988年に行われた旧ソ連によるアフガニスタン戦争で犠牲となったベラルーシ人兵士を祀る慰霊塔
慰霊塔の四方には、兵士の帰りを願う女性、悲しみにくれる未亡人・母親を表す像が置かれ、犠牲となった700人の名前が刻まれています
慰霊碑の近くには涙の天使像 犠牲者・その家族の為に涙を流しています ※パンツを盗られたから泣いているワケではないようです
「いくら救済しようとしても 人間は殺し合いを止めてくれないよ~」 と泣いているのかもしれません
この日最後の見学場所は国立ボリショイ・アカデミー劇場へ トリニティヒル地区の公園中央にあるベラルーシのオペラ・バレエの最高舞台
正面より ボリショイと言えばモスクワが有名ですがベラルーシは旧ソビエト連邦で現在は最大の親露国 ボリショイの名前を語っても許されます ※本家ボリショイをリスペクトしての名前です
現在の建物は1939年にオープン ボリショイの名を冠するだけあって威風堂々、荘厳に満ちた建物 バレエのレベルも本家に引けを取らず、日本から留学するダンサーも多いそうです
ミンスクの地下鉄
ミンスクメトロ
街歩きに際し利用したミンスクの鉄道を少しだけ紹介 路線は1984年最初に開業した独立大通りの地下を走るブルーラインと次いで1990年に開業した東西に走るレッドライン、最後に2020年に開業したグリーンライン(訪問時は無かったヨ)の3路線
チケットは駅構内の有人窓口にて購入 ICカードや回数券もあるようですが駅の窓口と違い英語が通じないのでその都度1回券を購入していました 料金は1回券 0.65Br 1乗車の料金なので距離は関係ありません
駅員の英語レベルは南米と同じ=大方喋れません 指とお金を渡せば問題なく購入できます(笑)
チケットはトークン制(おもちゃのよう) 自動改札機にトークンを投入してホームに向かいます 出札は一方通行の出口から出るだけ
駅の様子
駅構内 ソ連連邦では9番目のメトロとして開業したので雰囲気が社会主義っぽいという以外は至って普通
独立広場近くのプロシャジ・レーニナ駅ではソ連時代から引き継がれた鎌とハンマーの共産党のシンボルがホーム中央にどーん
どーん!!
こちらは十月広場近くのクパラフスカヤ駅 ここにも鎌とハンマーのシンボルレリーフがありました
撤去されずに残されてるのは国民の無関心というよりは親露派の大統領の意向なのでしょう…
電車は青塗り車体 決して新しいとは電車とは言えませが街中同様、車内、駅ホームには一切ゴミが落ちておらず非常に綺麗 常に当局に監視されているから?
全く字が読めませんが日本展が開催されるということは分かりました
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次はもっと上手に旅します
超まとめ
- シンガポール並みにゴミが落ちてない綺麗な街にビックリ!!
- 社会主義の恐ろしげなイメージがありましたが治安は西側ヨーロッパより安心でした(当時)
- 英語の通じなさは南米といい勝負でした(向こうが観光客慣れしてるのでヘーキ)
- ミンスクはソ連感満載の町並みを楽しましょう まだまだ健在のスターリン像は貴重かも
- ミンスクメトロは安くてシンプル 観光に便利なブルーラインをメインに利用
- 地下鉄のチケットは有人窓口で指を立ててお金を出せばOK 料金は距離に関係なく一律
- ビザを持たずに陸路出国しようと寝台列車の切符を買ってはいけません(モチロン出国NG!!)
- ベラルーシにはまだGoogle ストリートカーはまだ走っていない模様
関連リンク集
- Minsk Tourist ミンスク市公式観光サイト
- Minsktrans ミンスク市バスの公式サイト
- Belarusian Railways ベラルーシ鉄道の公式サイト
- 国立ボリショイアカデミー劇場 劇場公式サイト 公園スケジュールのチェックも
- Galileo Mall ベラルーシ駅横にあるガリレオモール公式サイト
- Сталіца 独立広場の地下にあるショッピングモール公式サイト
- omio.jp ヨーロッパ各地の鉄道・バス・航空券の最安値検索サイト