モノレイクの北に位置するボディ州立歴史公園 標高2500m ゴールドラッシュに沸き19世紀後半期かけて急速に発展したものの金の枯渇と共に僅か半世紀でゴーストタウンとなった鉱山の街ボディ
今回は100年以上前の建物が今なお残り、当時の街の様子を静かに語りかける天空のゴーストタウン ボディ州立歴史公園の様子をまとめてみました
(2019.05.30現在)

 

ボディ州立歴史公園

 

何処にあるの?

西海岸で人気のヨセミテ公園・名立たる国立公園が集中するグランドサークルのどちらからもアクセスが不便なボディ(Bodie)は日本人ではまだ知る人が少ない隠れ家的観光スポット

カリフォルニア州東部、シエラネバダ山脈の東麓に位置しており 保養地として知られるタホ湖の南約120km、ヨセミテからの有名シーニックドライブタイオガ・ロードの終点にあるモノレイクの北約25kmにあります

標高2550m 人里離れた山の廃墟の為、公共交通手段はなく自走(レンタカー等)のみにて 冬期は雪に覆われる為、一般的な営業期間は3月中~11月上旬となっています

  • 住所: Highway 270, Bridgeport CA 93517
  • 営業: 3月中旬~11上旬 09:00~18:00
  • 料金: 大人 8ドル 小人 5ドル(4~17歳)

※Bodie は年間を通じ訪れることが可能 但し、冬の間はスキー・スノーシュー・またはスノーモービルが必要

 

アクセスマップ

 

ボディはモノレイク(タイオガ・ロード120号線との分岐)からUS-395号線を北に約30kmほど走ったところで右折してボディへ続く270号でアクセスします

標高1,830mを走るUS-395号線から標高2,550mのボディまで700mを登る270号線は最後未舗装区間があるので運転には注意が必要

また、山の上にはゴーストタウンとなったボディ以外何もありませんのでガス欠にも注意が必要です

US-395号線の分岐点からは見学時間も含め、最低でも3時間以上の時間で計画しましょう ※分岐からの往復で約1時間

 

モノレイクからアクセスした場合、US-395右手に連なる岩場が切れる分岐を右折 あとは1本道です

 

ボディまでの2/3は舗装されており問題なく走れます 分岐からの標高差は700mですが日本の山道のようなキツいカーブはありません

 

ラスト1/3は未舗装の砂利道fとなります 観光客以外アクセスする車がないので道中行き交う車は数えるほど

本当にこの先にあるの? と不安になりますがとにかく終点まで進みます 天気が悪いとメチャ不安になるかもしれません

 

料金所ゲート

12:30 ボディ州立歴史公園に到着 入場料は1人8ドル 詳細案内パンフ2ドル(購入を強くおススメ)

ボディは1859年、この地の近くで金を発見したウィリアム(別名ウォーターマン)・ボディの名前から名付けられ、ゴールドラッシュと共に発展しました

1861年に最初の採掘所が造られた以降、数十人の鉱夫から始まったボディは1880年には1万人を有するまでに発展、しかし20世紀に入ると金鉱は枯渇し、ゴールドラッシュの終わりと共に人口が減少していきます

住人の少なさから1915年頃からゴーストタウンと呼ばれ始め、 1932年の大火で町としての機能を完全に失い、1943年に最後の住人がボディを去り完全なゴーストタウンとなりました

その後1961年に国定歴史建造物指定を受け、翌1962年にカルフォルニア州により州立歴史公園に指定され現在に至っています

 

トイレ

12:50 駐車場内で昼食を取ってからいよいよ見学開始デス
写真は駐車場脇のトイレ インフォメーション兼博物館脇にもトイレがありますがトイレはコチラで済ませてから見学しましょう

 

ボディ見学の様子

案内板

駐車場にある見学マップ 大きな町ではないので徒歩で十分回れます 駐車場脇には乗馬ツアーの受付もあり、タイムスリップした景色の中、乗馬体験も可能

 

採掘所跡

採掘抗場跡 建物は朽ちて跡形もありませんが中の機械が錆びついて当時の場所に留まっています

 

残された機械

右からボイラー、蒸気吊り上げ機、搬出リフト

 

ボイラー 1896年製

鉄製の炉だけが残ったボイターとシリンダー部 製造は1896年とありました

 

コンプレッサーの車輪

最盛期には勢いよく回っていたであろう巨大なプーリー 栄枯盛哀 つわものどもが夢の跡状態

 

Dolan House

Dolan House ボディ廃墟のほとんどは外観のみの見学となりますが一部の建物は中に入って見学することができます

 

Dolan House  Dolan House

築100年以上の建物なので傷みは激しいですが実際に人が暮らしていたという雰囲気はしっかり残っています

 

教会 教会内

メソジスト教会 ボディに2つあった教会の1つで1882年の建築 1932年にここで最後の礼拝が執り行われた後、数家族を除き殆どの家族がボディを離れました

 

廃家内

教会の隣の家 Tom Miller House内も中に入るることができます こちらも傷みが激しいですが当時の家具や家の造りがよく分かります

 

廃家内

ダイニングキッチン 至るところに埃が厚く積もっています テーブルの上には食器がありましたがここを去る時は何も持たずに去ったのでしょうか?

 

廃家内

長年の月日と共に色あせてしまった寝室 人が暮らしていた頃はどんなだったろうと想像してしまいます もうこの頃から壁紙が使われていたのですね…

 

廃家内

リビング 古くて大きな薪ストーブが鎮座 2,500mの冬は厳しく、沢山の薪を用意する必要があったそうです 断熱材などがない時代 昔の日本もそうですが今を生きる身にはとても想像ができません

 

1879年のボディの写真

壁には最盛期だった頃の町の写真が飾られていました 1万人といえば本当にちょっとした街です そう言えばマンザナーの収容人数も1万人でした 自らチャンスを求めて来た人たちとある日突然強制移動された人たち… なんだかな~

 
James Stuart Cain's Home

 

カイン

写真はボディ有料パンフより

James Stuart Cain’s Hous
ボディの実力者だったカインさんの邸宅 現在はレンジャーの人が住む家として利用されており外観だけの見学になります

カインは 1879年25 歳の時に新婚ホヤホヤでボディに移り、一代にして富を築いた実力者 モノレイクに製材船を置き、材木をボディに輸送するビジネスで成功を収め町でもっとも裕福な人物の1人でした

因みにボディの最後の住人の1人はこのカインに雇われた土地の管理人

 

納屋

比較的大きな建物が残っている場所(ミュージアム周辺) 多くの建物が大火で失われ、残った建物も厳しい自然条件の中でよく100年以上も残っているものです

 

1911年3月の雪

写真はボディ有料パンフより

1911年3月撮影 雪で入口が埋まるボディ郵便局 誰も居なくなった家がこれだけの雪が降る場所で存在してきたことに驚きます 雪以外にも落雷による出火も大敵です

 

雑貨屋

Harvey Booneが所有していた雑貨店と倉庫 建てられたのは何と1879年!! ここに来れば何でも揃う百貨店といった感じです 中に入ることはできませんがガラス越しに店内の様子を覗くことができます

 

店内の様子 店内の様子

店内の棚には商品がまだ残されていました 退去する時に持ち出さなかったのでしょうか? ゴーストタウンと言っても実際に人が住んでいた形跡がアチコチに感じられるのでなんだか切ない気持ちになります

商品棚には当時のエジソン電球(オリジナル)があったり 現在でも発売され続けてるメーカー製品の100年以上前の商品が今でも棚の中にあるそうです (ケロッグ社のひまし油、St. Joseph社のアスピリン、果てはこんなブランド商品も!!)

 

野ざらしにされたフォードトラック 年代的に1930年以降なのでこの車はゴーストタウンになってからのもの?

 

旧ガソリンスタンド 電柱柱

ガソリンスタンドと木の電信柱 車は20世紀にならないと普及しないのでガソリンスタンドは後期のモノ それまでの主役は”” 住宅用建材から炭鉱を支える柱、ストーブの薪などボディの木材流通を一手に担っていたカインが金持ちになったワケです

 

消防署

地方消防団の詰所といった感じの消防署

 

消防機材

配備されていたのは消防自動車ではなく消防馬車? 木造家屋にこの消火器具では大きな火事にはとても太刀打ちできませんね

 

古い荷馬車 荷馬車

納屋の中には馬車!! 車輪は木と鉄 未舗装の山道をこの車輪で走っていたのでしょうか?

 

Dechambeau Hotel Dechambeau Hotel

Dechambeau Hotel ボディ後期のホテル 1Fにあったボディカフェは町で最後まで営業していたビジネスの1つ

 

 

ボディ博物館

ボディ博物館(兼インフォメーションセンター) 町に残された当時の調度品が一堂に展示されている他、入り口の一角に案内カウンターがあります

町に住んでいた人の家族写真や立派な装飾品などもあり、町を去る際に持って行かなかったことが不思議 突然居なくなってしまったという表現がぴったりです

 

ボディ博物館

葬儀用でしょうか? 保存状態の良い馬車もありました

 

BODIE HOTEL

Wheaton and Hollis Hotel メインストリートとグリーンストリートの角に立つホテル 1880年前後の建物で元々は政府系の事務所

その後、電力会社オフィス、ボディストアを経てホテルとなり廃墟を迎えました

 

サロン

中には入れないので外から覗きます 元々ゴールドラッシュから始まった炭鉱町 荒くれ男が多く暴動や殺人は珍しくなかったそうです

西部劇時代より少し後の時代になりますが、今でも賑やかな声や酔っ払いの罵声が聞こえてきそう

 

厨房

厨房も外から覗けました 調理器具等がそのまま残されているので、本当に住人がある日突然消えたように思えてしまいます

 

学校

学校 ボディの中でも一番状態の良い建物 最初の学校がいたずらっ子の火遊びで焼失してしまった為、元ロッジだった建物を転用したそうです

 

教室内

残された勉強机に黒板や地図、地球儀が確認できます 徐々に人口が少なくなっていったハズですが一斉に住人が消えたかのような状態で残されているのがやっぱり不思議

建物内には沢山の教材が残されており貴重な資料になっているそうです

寅吉
寅吉
昔通っていた小学校が木造校舎 現在は建て替え済みですが残っていたら同じ位の歳の学校でした

 

錆びた自転車フレーム 一輪車

赤さびの鉄フレームだけになってしまった自転車と一輪車 渋すぎます 残されているもの全てが人の生きた証 歳のせいかホロホロしてしまいます

 

銀行  金庫

ボディ銀行 建物自体は1932年の大火で焼失してしまいましたが焼け残ったレンガ造りの金庫室を覗き見ることができます  建物は焼け落ちてしまいましたが金庫の中の貴重品は無傷だったとか

なんとこの銀行 実力者カインの銀行でした  木材業と不動産で成り上がったカインさんが1890年に買収し1932年まで営業していたそうです やるね カイン

1879年で25歳だったので火災が起こった1932年時 カインは78歳の計算

 

刑務所

ボディ銀行の少し先にある刑務所  1932年の大火から免れた1877年築の建物 荒くれ者が多かったボディで使用率は高かったそうです

自警団が囚人を強制的に連れ出し絞首刑にしちゃった とツアーガイドが話していました ツアーに参加するにはカウボーイハットが必要です(嘘)

 

古い荷馬車

リアル大草原の小さな家!? 敷地内に放置されている物のほとんど全てが100年モノ

 

街並み

最盛期に何軒の建物があったか分かりませんが100軒以上の建物が現在でもこの山奥に残されています

住人を失い半世紀以上 厳しい自然の中に残る今にも朽ちそうな家屋たち 想像以上にグッと来ました

 

採掘・粉砕工場

町の心臓とも呼べるStandard Mill 鉱山で採掘された鉱石を加工した鉱物処理工場(1877年7月に稼働) 工場内は今でも当時のままだそうで有料のツアーでのみ見学することができます(1日数回・人数制限があるので博物館で要確認)

 

レンジャーの家

人里離れた歴史公園 ボディ パークで働く職員は通いではなくボディ在住!!

100年以上前の家をリノベーションし生活、観光客に覗かれないよう営業時間中は絶えずカーテンを閉めています

お鈴
お鈴
昼間にカーテン閉め切りはちょっと可哀想… 買い出しも大変そうでした

 

2500mの街並みパノラマ

標高2500m 天空のゴーストタウン ボディは時間が止まってしまった1世紀前の世界でした アチコチに哀愁を感じることができ心が震えました アクセスは悪いですが超お勧めデス

 

軍用機

ボディの上空でもマンザナー収容所で見上げた軍用機が飛んでいました 標高が高い分、飛行機が近い!!

ライト兄弟の初飛行が1903年 その少し前に全盛期を迎えたボディ 日本なら明治時代後半 そんな時代の町並みや建物が残るボディ州立公園は哀愁漂う天空のゴーストタウン 機会があれば是非訪れてみて下さい

 

寅吉
寅吉
崩壊寸前の建物が幾つかあります 冬を越すごと状態が悪くなると思いますのでお早めに

 

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次はもっと上手に旅します

 

超まとめ

  • ボディ州立歴史公園は密かなる絶景スポット アクセスが悪いが訪れる価値はあり
  • US-395号線分岐からは700m登る山道 最後は未舗装道路となるので運転に注意
  • 有料2ドルの詳細パンフは購入する価値あり 建物の歴史・町の歴史がよく分かります
  • 有料パンフを買わないならBodie.com サイトでの予習を忘れずに
  • ミル内(工場)を見学するツアーはチャンスがあれば是非参加を
  • カインさんはやり手のビジネスマン 見習いたい…
  • この日の走行距離:約274km 累計走行距離: 約8,603km (前回ブログと同一日なので同じ距離)