ブカレスト観光2日目は処刑されたチャウシェスクの死体がニュースで流れるという衝撃的な記憶がある世代として、とても興味があったチャウシェスク邸と世界一大きい議事堂見学へ 今回はかつての独裁者ゆかり地を訪問した様子まとめデス
(2019.08.02現在)
ヘラストラウ公園周辺
凱旋門
チャウシェスク邸に行く前にAviatorilor駅から歩いて見物に出かけた凱旋門 1878年露土戦争でルーマニア独立を勝ち取った軍隊がくぐれるようにと木製の凱旋門を造ったのが始まり、現在の門は1935年に改修されたもの
高さ27m 幅27mとパリのシャンゼリゼ道りの凱旋門の半分強の大きさですが周りに大きな建物が無いのでとても立派に見えました
マイケル・ジャクソンのスリラーに衝撃を受けた世代なのでヘラストラウ公園内にあるマイケル・ジャクソン記念碑も見てくれば良かったかな?
MJファンなら訪れても良いかもしれませんがGoogle Street Viewを見る限りちょっと安っぽい感じが否めないような・・・
公園にあったシャルル・ド・ゴール像 空港名にもなっているフランス将軍&大統領の像はかつてスターリンに捧げられた記念碑のあった場所に置かれました 時代が変わった証拠ですね
チャウシェスク邸
凱旋門を見た後は個人的に国立農村博物館よりも優先したチャウシェスク邸へ向かいます
チャウシェスク邸はチャウシェスクが独裁者として四半世紀に渡り君臨した1965年から革命が起きた1989年まで住んでいた私邸 軍によって守られた為、革命後の市民略奪を逃れており当時の家具や調度品、各国からの贈り物等当時の暮らしぶりを見学する事ができます
維持費が膨大にかかることから2014年に売却案が出ましたが不成立 博物館にして利益を出した方が良いと判断され2016年から一般公開された比較的新しい観光施設
アクセス
チャウセスク邸はブカレスト中心地の北 高級住宅地と知られるプリマベリイ地区にあり、最寄駅は地下鉄M2のAviatorilor駅 円形交差点から伸びるプリマベリイ通りを北東に800mホド歩いた場所にあります
プリマベリイ通り 街路樹が植えられたブルジュアな通りで高級住宅地とされます チャウセスク邸はこの通りを進んだ右手
予約方法
予約は電話か公式サイト を通じて行います オンライン予約ページはあるのですが即時予約とはならずカレンダーから希望日時を選んで予約問合せを行うという感じで予約が取れた場合は下記のメールが送られてきます(いずれオンライン予約が整備されると思います)
“The appointment you requested at Palatul Primaverii has been approved! Here’s your appointment information:
Date: 2 august 2019 Time: 11:00
Sincerely, Your friends at Casa Ceausescu”
ツアー開始の10分前に現地に到着し、チケットを購入しないとツアーキャンセル扱いになってしまうので注意
英語ガイド付きツアーで料金は50LEI(約1250円とルーマニアにしたら高め?) ※2021.08現在は55LEI 支払いは現金又はカードにて
チャウシェスク邸は緑の看板が目印です♪
10:30 ツアー開始の10分前には必着との事なので早めに到着 チケットは到着時に購入 開始時間まで少し時間があるので外でウロウロ
11:00 英語ガイドによるツアースタート 最初に執務室から見学 チャウシェスク邸は1960年代に建設されただけあって全体的なテイストは昭和感が漂いますが贅沢な作りであることが見て取れます
長男ヴァレンティンの部屋 長男は核物理学者となり政治には関わっておらず、革命時にも身柄を拘束されませんでした その後、横領の容疑で逮捕されるも不起訴となり学者に復帰 現在(2021年時)も存命する唯一の実子
寝室とバスルーム バスルームが無駄に広い(笑) 夏場はいいけど冬は寒々しそう
壁には立派なゴブラン織りのタペストリーが架かる応接室 何気に置かれている品が各国代表からのプレゼントだったりしちゃいます
メインダイニング 丸テーブルは子供たちが朝食、昼食をとっていたテーブルとの事 厨房も見られると良かったのですが厨房は見ることができず残念
贅沢なリビングルーム 独裁者にも家族団らんはあったのでしょうか? 1Fには映写室もあるハズでしたがそちらは見れず終い
玄関ホール グランドピアを置いてもこの広さ! 階段下には水場も設けられていました ツアーはここより2階へ移動
次男ニクの部屋 革命当時は政府の役職についており父の後継者と目されていた次男ニク 革命後に逮捕され20年の懲役実刑 1992年に肝硬変のため解放されるも4年後の1996年に死去
次男ニクがこの家で暮らし始めたのが14歳の時、どんなクソガキ少年期だったのでしょう?
個人の趣味を反映しての結果か分かりませんが一番地味な部屋が次男ニクの部屋でした 体重計はどのバスルームにもあり必須アイテムのようでした
長女ゾヤの部屋 長男と一歳違いの長女ゾヤの部屋 数学者である一方、党の役職にも就いており、贅沢暮らしを謳歌していたとのコト 跡継ぎに目されたのは次男でしたが夫妻のお気に入りはゾヤだったそうで、トランプファミリーのようです 長女は2006年に肺がんで死去
女性の部屋だけあって絨毯や調度品は華やかでした
長女のバスルームはピンクでした!! 同じデザインの部屋・バスルームは皆無のようです
妻エレナの部屋 長女の部屋同様華やかな調度品が置かれた夫人専用の部屋 クローゼット内の金庫がいやらしい… エレナは嫉妬深く夫妻の間に女性を立たせることは無かったそうです
特注品だろうソファの数々 こんなに椅子要ります? 奥さん友達なんて居ないだろうに・・・
チャウシェスク夫妻の部屋 無駄に広いリビングからスタート 大理石の暖炉にゴージャスな応接セット(反対側にも応接セットが置かれています)
この家は元々は最初の共産党指導者であるゲオルゲ・ゲオルギュ=デジのために建てられたものでゲオルゲの死後に権力と共に家も合せてゲット、権力と家を手にした後、自分好みに豪邸に改築していったそうです
一際豪華なマスターベッドルーム 壁紙はちょっと頂けませんが家具類は現在でも十分通用するクオリティ
そしてどの部屋よりも豪華な黄金に光輝くバスルーム ダブルシンクで蛇口はモチロンのことは排水パイプまで金メッキ♪
お金持ち・権力者はどうしてこう金ピカにしたいのでしょうか? 貧乏人には想像がつきません
こちらも夫妻のお部屋続き チャウシェスクもエレナ夫人も農家に生まれ初等教育しか受けていません(エレナに至っては小学校中退) それ故、権力と金に狂ってしまったのでしょうか?
温室(Winter Room) 家の中にジャングル!? 水場のモザイクタイルもド派手
かなりの広さがある中庭 その昔は産油国で石油を輸出し財政状況は悪くなかったルーマニア
1970年代にヨーロッパから多額の借金をし、重工業化を図る政策を進めたものの石油産出量が落ち輸出国から輸入国へ転落し失敗 多額の借金だけが残りました
政権末期には借金返済を優先する政策を取り、国民の為の食料をも輸出に回して国民の生活はどん底に…
そんな時にもこの豪邸に住み続ける人間は政治家とは言えません
金のモザイクタイル画の階段を降りて衣裳部屋とスパエリアへ
衣装部屋 クローゼットという言葉では済まされない洋服どっさりの部屋
衣装棚いっぱいに夫人の服が残されていました 国民の貧困をよそに贅沢を貫き通した夫妻 市民が略奪に訪れていたら銃殺ではモノ足りなかったかも知れません
スパエリア 日焼けマシーンに全身シャワー、謎のスパマシンetc と当時の最先端設備が揃えられています チャウシェスクさんはタバコも吸わず健康志向だったようです(お陰で病気では死にませんでした)
そうそう、専用の散髪室までありました
極めつけは屋内プール (ヘンテコなモザイクタイルは有名芸術家によるもので完成まで2年かかったとか!!) 今の時代から見るとそこまで大した豪邸には見えませんが1970年のルーマニアからした別世界の空間だったことは間違いなさそうです
国民の館
アクセス
国民の館は統一公園の西約1kmに位置し、最寄駅は地下鉄M1、M3のIzvor駅 駅から見学用の入口まではあるいて約800mの距離
正面玄関は東の統一広場側ですが見学用入口は北側 世界で2番目に大きな建物で側面の長さでも245mあるので間違えないように!! 入口は北側デス
駅から向かう途中から臨む国民の家 延床面積ではペンタゴンに次ぐ世界で2番目に大きい建物で長さ270m、幅245m、高さは地上84mという超巨大建築 くれぐれも入口を間違えないで下さい
この議事堂を立てるにあたって20の教会、10,000の家が取り壊され 57,000人を超える家族が移転させられたそうです
見学者用入口がある北側 近づくと更に大きく感じます
部屋数は約1000室(内440室はオフィス)、ホールは30以上 本当に必要とした上での設計だったのか疑問ですがチャウシェスクの望むままに作ってしまった姿がこの巨大建物
革命後取り壊し案もありましたが7割近く完成しており取り壊し費用の方が高くつくという理由で工事が再開され1997年に完工となりました
遠目で見ると立派なものの近いてみるとあら、びっくり どこもかしこも傷みホーダイでした
完成から20年以上経過しどんどん修繕が必要な状態 革命時は取り壊し費用だけを考えての工事続行でしたが長期的な維持管理費を計算したら取り壊していた方が絶対安かったハズ
チケット購入について
国民の館 公式サイトはあるもののオンライン予約は受け付けておらずネットご時世にも関わらず予約は電話予約のみ なので入口を入って左手奥の売り場で当日購入
予約なしで来てみましたが約1時間後の14時からのツアーに滑り込めました 料金は1人40LEI(約1,000円) 他にも地下にアクセスできるツアーもあったりするので詳細は最新料金含め公式サイト にて
1時間の待ち時間なので売店でスナックとコーラを購入して待ちましたが広大なスペースがあるにも関わらず休むスペースが殆どなくてちょっと不便でした… 何とかしてくれ
チケット売り場の反対は無駄に広いギャラリー 電気代・メンテもバカになりません 男性が向かう先はトイレですがトイレも笑える広さなのでお出掛けの際は用がなくとも利用してみて下さい
いよいよツアー開始 果たして扉の向こうに広がる世界は?
見学の様子
最初に案内された廊下 メチャクチャ広い… 敷かれた足もとの絨毯は継ぎ目がない一枚ものだとか マジですか?
C.A.ROSETTIホール まるでオペラ座のような円形の会議室で座席数は600 同じ規模の会議室は上のフロアーにもう一つあり、ルーマニア議会の本議会場として使われています その天井はシャンデリアではなくガラス天井でこのホールよりも更にゴージャス
大回廊 幅18m、長さ150mと雨天時でも運動会が開けるレベル 維持費がトンでもないとみえてシャンデリアは間引き点灯
冬の暖房費もえげつなさそう…
バカ広い廊下にはバカでかい扉 ドアというより門ですよ
Nicolae Iorgaホール ルーマニアの歴史家で第34代首相のニコラエ・ヨルガの名を冠したホール 十分広いですがホールとしては小さい部類
Nicolae Balcescuホール 1848年のワラキア革命のリーダーだったニコラエ・バルチェスクの名を冠したホール
会議利用より結婚式披露宴にピッタリ 国民の血税で作った建物なのでどんどん使えばヨロシ (見学するホールは全てイベント貸出ができるようです)
中央ホールの大階段 総大理石造りの見事な階段 ルーマニア中の大理石を調達した為一時墓石が不足したとか
手すりの高さはチャウシェスクの背丈に合わせて設計されている他、段差もチャウシェスクの指示による低い段差となっています この階段を作成するにあたりチャウシェスクは設計図を理解することができず、1/1サイズ(つまり同じサイズ)の階段モデルを造らせて指示を出したそうです
国民の生活が苦しくなっている時によくそんなコトしてたな オイ
UFOのような天井照明と中央エントランス 玄関ドアは大理石の立派な柱に比べるといささかチープ? 広さには圧倒されますが美しさ(優雅さ)ではハンガリー国会の方に軍配があがります
Nicolae Titulescuホール フランス風のデザインが採用されたホール 公式会議中に下院議長と上院議長によって使用され絨緞・カーテンはピンクで統一 ピンクはどの政党にも使われていない中間色ということで選定されたとのコト なるへそ
中庭 雑草がチラホラ これだけの規模なのでそこまで手もお金も回らない~
Take Ionescuホール ホールというよりは次のUnion Hallのプロローグとなる空間
Take Ionescuホールの奥にあるUnion Hall 53m×42m 床面積2226m2という圧倒的な広さのホール 立食パーティなら2000人OK
借金返済に国民の食糧分を輸出に回していた時代にコレを作っていたと?
再び大階段 踊り場にある窓のカーテンは長さ18m 重さは何と1枚250kg (2枚で500kg)
反対側にも同じ階段があるのでカーテン4枚で計1トン
どうやって洗濯するのか聞き忘れました!!
階段付近をぐーるぐる♪
Drepturilor Omului Hall 共産党の執行政治委員会を開くために設計された巨大円卓があるホール ホールのシャンデリアはこの建物で二番目に大きなシャンデリアだそうです
執行政治委員会の為の60人分の椅子は備えられましたがが肘掛付のチャウシェスク席は完成するコトなくフィニツシュ
AL.I.Cuzaホール ルーマニア公国の建国者Alexandru Ioan Cuzaの名を冠したホール
1200名収容のホールで置かれた椅子はフカフカで座り心地が良さそう 天井にシャンデリアはなく高さ20mという広い空間に差し込む外光で明かりが取れるようになっています
AL.I.Cuzaホールもぐーるぐる♪
そのAL.I.Cuzaホールからバルコニーに出ることができます このバルコニーはマイケル・ジャクソンが1992年にブカレストにツアーで訪れた際、集まった群衆に挨拶をした場所(バルコニーから群衆に話しかけた唯一の人物がキング・オブ・ポップと呼ばれたM.J様デス)
マイケル・ジャクソンは 集まったファンに対し Hello Budapest♪ と挨拶したのはあまりにも有名(ブダペストとブカレストを間違える人は数多くいるのでセーフ)
バルコニーから望む統一通り 正面先にあるアルバ・ユリア広場まで3kmに渡って伸びる大通りはこの議事堂とセットで設計され同時期に建設されました
パリのシャンゼリゼ大通りを模して作ったそうですが本家より道幅が6mも広いそうです 国難の時代にお金をつぎ込む先がまるで違います
チャウシェスクの命を受けての建設でしたがチャウシェスクは建物の完成を待たずしてティミショアラのデモから僅か9日後の12月25日クリスマスの日に処刑されてしまいました
統一通りから望む国民の館 正面入り口から300m離れて全景が収まるサイズ
国民が食べる物にも困っていた時に多額の費用で建てられた巨大な議事堂宮殿 現在は国民の館と呼ばれ多くの観光客を集めるブカレスト一番の観光スポットとなっています
過去の過ちを繰り返さないようキチンと政治が機能し、人々の為の政策が成され、平和で豊かな生活が送れるようブカレストに限らず願いたいものです
Dristor Kebap
地元客・観光客に人気のケバブ屋
国民の館見学を終え旧市街まで戻りDristor Kebapというケバブ店で遅いお昼 旧王宮跡のすぐ近くで1999年創業のお店で ケバブを食べるならココ という地元客・観光客でいつも賑わっているお店
アイラン(AYRAN)というトルコを中心とした地域で飲まれているヨーグルトを水で薄めて塩を足した飲み物を飲むべきとあったのでアイランとケバブ、レンズ豆のクリームスープ(写真ナシ)で54LEI(約1,350円)
ケバブ、スープは普通に美味しかったですがアイランは一度飲めばいいかな? っという味(炭酸が抜けた甘くないアンバサ味?)でした 料金的にはマックより高いかもしれませんがケバブは噂通り美味しかったのでケバブ好きの人にはお勧めデス!!
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次はもっと上手に旅します
超まとめ
- チャウシェスク邸はオンライン予約ではなく予約問合せ(予約可否が後に返信)なので早めにリクエスト
- チャウシェスク邸見学は時間の10分前に到着しチケット購入しないとキャンセルされる場合あり
- チャウシェスク時代を知る人ならチャウセスク邸見学はアリ、知らないとタダの古臭い金持ちの家
- 国民の館の個人見学予約は電話受付のみ 予約するならホテルの人に頼むなど工夫が必要
- 国民の館の見学者入口は建物の北側から 最寄地下鉄はM1、M3のIzvor駅
- 国民の館 簡単な売店はある周りに飲食店はないのでお昼時は注意
- 世界で2番目に大きい国民の館 廊下・ホールの大きさに圧倒されるが装飾もナカナカ
- 国立農村博物館にも行っておけば良かったと思う今日この頃
- ブダペストとブカレストは間違えやすいので注意 アオッ!!
- マイケル・ジャクソンのライヴ・イン・ブカレストコンサートは必見 パウッ!!
関連リンク集
- ルーマニア観光・商務局 日本人向けルーマニア観光情報サイト(日本語)
- Romania Tourism ルーマニア観光局公式サイト
- Visit Romania ルーマニア観光情報サイト
- Bucharest City Info ブカレストツーリストオフィスの観光情報サイト
- Bucharest free tour ブカレストのフリーツアー情報サイト
- Metrorex.ro ブカレスト地下鉄の公式サイト
- STB ブカレストバス・トラムの公式サイト 料金
- チャウシェスク邸 チャウシェスク邸の公式サイト
- 国民の館 国民の館公式サイト
- 国立農村博物館 木の教会や古い農村の家が再現されている屋外博物館
- Dristor Kebap 旧市街にあるケバブレストランのFacebookページ
- omio.jp ヨーロッパ各地の鉄道・バス・航空券の最安値検索サイト