グランドキャニオン国立公園2日目は渓谷の縁に沿って整備されたリムトレイルを散策し、夕陽に合わせシャトルバスを利用しながらハーミット・ロード沿いの展望所からグランドキャニオンの夕景を楽しみました
グランドキャニオンの見どころ解説は他サイトに任せて、コロラド川が数百万年の年月を費やして造り上げた景色を見学した順に紹介
(2019.06.11)

 

グランドキャニオンリムトレッキング

 

6/11 グランドキャニオン2日目は断崖の縁沿いに整備されたリムトレイルをマーサ・ポイントからブライト・エンジェル・トレイル口まで歩いて見学 コロラド川が造り上げた雄大な景色を崖上目線から楽します

お昼過ぎは気温が高くなってしまうので朝早い時間帯から行動開始 ヨセミテ同様キャンプ場内で引っ越しの為6時半起床、朝食とテント撤収を済ませ07:45にキャンプ場を後にしてビジターセンター近くの駐車場に車を停めから散策開始♪

 

Mather Point

マーサポイント

マーサ・ポイント 大きな駐車場が整備されたビジターセンターから舗装された遊歩道を歩いて数分で到着するビューポイント ビジターセンター近くとあってサウスリムでも最も多くの人が集まるビューポイントがココ

マーサ・ポイントの英語表記はMather Point「マザー」と読み間違えやすいですが母親のMotherとは違うスペル 国立公園局の初代所長であるStephen Tyng Matherが由来となっています

 

アンプシアター近くから

ビューポイントはマーサ・ポイントに限らず、東西両方向のリムに沿って沢山の絶景ポイントがあるのでマーサ・ポイントを見たら終わりではなく周辺をアチコチ探索してみましょう

今回はマーサ・ポイントから西へリム沿いに向かいますが、その前に少しだけ東(Yaki Point)方向へ歩いてみました

 

アンプシアター

マーサ・ポイントから歩いてすぐ AMPHITHEATER(円形劇場)と呼ばれる大きな岩を配置したレクチャー広場では1日数回、無料の レンジャープログラムが行われています 興味のある人は指定時間に集合しましょう

 

リムトレイルからマーサポイント方向

AMPHITHEATER(円形劇場)からまた少し東へ進んだ所からの景色 特にポイント名はありませんがマーサ・ポイントのキャニオンエッジと彼方に広がる大渓谷の風景が楽しめます

それにしてもこの日は雲一つないアリゾナらしい天気 夏のグランドサークルはこうでなくてはいけません

 

マーサポイントの上の人達

一番端の岩がバランスを欠いてずり落ちていました いつの日かマーサポイントの展望台もこのようになる日が来るのでしょうか?

 

東方向

昨日訪れたYaki Pointを方向を望みます Yaki Pointの彼方にあるベル型の岩山はVishnu Temple(2,296m、コロラド川からの高さは1,490m)その隣の平坦な山頂部の岩山はWotans Throne(標高2,353m、コロラド川からの高さは1,585m) マーサ・ポイント自体の標高は2,170m 似たような高さから眺めているのであまり高く感じられませんがどれも2,000mを超える高さ

Vishnu Templeは独特の形をしているので渓谷の東方向を望むとすぐそれと分かるハズ

 

切り立った断崖に立つ人 

崖の際に立ち崖下を覗く人 この年(2019年)の春先は8日間で3人の方が立て続けに亡くなるというニュースがあった年(3人中2人が転落事故)

楽しいハズの旅行先で死んでしまうなんてシャレになりませんので崖には近づきすぎないことが肝心です グランドキャニオンでは年平均12人の方が亡くなっており、2007~2018の期間では131人の方が亡くなっているそうです

寅吉
寅吉
死因トップは滑落死ではなく暑さによる脱水・熱中症が多いそうです

 

パノラマ風景

パノラマ風景 崖の上にへばりつく人間なんて小さい存在 この景色を見れば雄大な心になれます 日本に戻るとすぐセカセカしちゃうけど…

 

Yavapai Point

マーサポイントからの景色

Yavapai Point ヤバパイ・ポイントはサウスリムのビューポイントの中でも最高のパノラマが楽しめる場所でほぼ正面にブライトエンジェル川によって削られたブライトエンジェルキャニオンを渓谷奥まで見通すことができます(渓谷の奥手の断崖の上がノースリム)

この地点からノースリムビジターセンターまでの距離は直線でおよそ16km しかし、車で行く場合は谷を大きく迂回して行くことになり約340kmの距離となってしまいます (ナバホブリッジを渡ります)

 

断崖絶壁

真横を見れば切り立ったグランドキャニオンの断崖 落ちたら確実に死んじゃうのDeath
 

Yavapai Geology Museum

Yavapai Geology Museum

ヤバパイ・ポイントのすぐ近くに立つヤバパイ地質博物館 崖っぷちに建つ展望台を兼ねた博物館で大きなガラスの窓越しに180度の展望が楽しめます

 

展示コーナー ジオラマ展示

展示コーナーではその名の通りグランドキャニオンの地質についての展示 化石の展示やグランドキャニオンの立体模型があります エアコンがあるので暑い夏は涼を求めて休憩しましょう

営業時間: 08:00~20:00

 

枯れ木がある風景

ヤバパイ・ポイント近く 枯れ木とグランドキャニオン 渋い

 

トレイル オブ タイプ

ヤバパイ地質博物館からVerkamp’sビジターセンターまでの約2.1kmの区間は20億年というグランドキャニオンの歴史の流れを体感できるTrail Of Time(時間の遊歩道)というトレイルが整備されています

舗装された遊歩道の1mごとに金属プレートが埋め込まれ、プレート1つが100万年という単位を表します 100万年を1mと見立て、歩く度に時間をさかのぼり、グランドキャニオンの地質史全体を体験するという仕組み

道中にはグランドキャニオンから採取された各地質時代の石が置かれ実際の石に触れながらグランドキャニオンの地質と歴史を学びます

寅吉
寅吉
地層が積み重なるのに20億年 コロラド川が大地を削った期間が600~700万年なんだって

 

ブライト・エンジェルトレイルコース

タイム・オブ・トレイルから眺めるエンジェル・キャニオン・トレイルのジグザグ道 道はジグザグ・往復で膝カクカク!!

トレイルはコロラド川を渡りノースリムまで続き、その距離なんと約36km!!(あと6kmでフルマラソン♪)

 

曲がりくねった木 ケルンとキャニオン

90度に折れ曲がった木と崖上にに積まれた可愛らしいケルン ケルンの先に見えるのはThe Battleship(標高1,780m)という岩山

お鈴
お鈴
ケルンが置かれた地層が一番若い地層で2億7千万年前のもの 私なんてまだまだね

 

Verkamp’s Visitor CenterとHopi House

Verkamp's Visitor Center

トレイル・オブ・オブタイムの終点にある黒い外観のバーカンプス・ビジター・センター 営業時間: 08:00~20:00

ここのカウンターで歩いていた間、絶え間なく聞こえていた謎の音の正体を教えてもらいました

 

松の花 セミ

クリック音を絶え間なく発していた犯人は大量のセミでした 日本のセミからは想像できない音は鳴くというより羽を打ち付けて音を出すが正解のようです

 

実際の音は映像でどうぞ♪

 

展示コーナー ビジターセンター内ショップ

他のビジターセンター同様、インフォメーションカウンター、ショップ、展示コーナーがありますがここでの展示はグランドキャニオンのコミュニティに焦点を当てたものになりグランドキャニオンの探検・開発の歴史、ここで生活を築いた人々について学ぶことができます

 

Hopi House

ホピ・ハウス アメリカ国内に女性の建築家が22人しかいない時代にメアリー・コルターという女性建築家が設計を手掛けた建物 1905年のオープンから100年以上に渡り、ネイティブアメリカンの工芸品を販売するギフトショップとして使われている歴史ある建物

 

民芸品などの展示 インディアンアート

ネイティブアメリカンが製作したジュエリー、ナバホ族のラグ、ホピ族のカチナドールやズニ族の陶器などの様々な工芸品を販売 お土産を買わずとも博物館として訪れる価値アリ

 

EL TOVER HOTEL

そのホピ・ハウスの隣に建つ渋い山小屋風のホテルEL TOVER HOTE ホピ・ハウスと同じ1905年にオープンにして憧れの園内ホテル

 

EL TOVER HOTEL

歴史あるホテルとあって内装も素敵でした 泊まらずとも是非立ち寄って見て下さい

寅吉
寅吉
30年前はブライスキャニオンロッジに宿泊 グレハンで乗り合わせた4人で1部屋をシェア(笑)

 

Lookout terraceとKolb Studio 

Lookout Studio

Lookout Studio リムトレイルを更に西に進み、ブライト・エンジェル・ロッジの先の崖っぷちに建つ展望所 ホピ・ハウスと同じく女性建築家メアリー・コルターによる設計で1914年に完成した建物

ゴールドラッシュで沸いたルート66沿いのオートマンの建物とほぼ同年代、石積みの建物で数か所の変更点がある以外はほぼ建てられた当時のままの姿で現在に至ります

 

ブライトエンジェルトレイル

ノースリムまで伸びるブライト・エンジェルトレッキングコースを見下ろす展望台はギフトショップになっており、Tシャツ、写真やマグネット等お土産品が取り揃えられています

メアリー・コルターが設計した建物はグランドキャニオン内に4つあり(ホピハウス、ルックアウト・スタジオ、ハーミッツ・レスト、デザートビュー展望塔)それら全ては1987年に国定歴史建造物に指定されています

 

トレイルから見たEl Tovar Hotel

Lookout Studioから望むEL TOVER HOTEL グランドキャニオンビューの部屋に泊まってゆっくりしたいですね

 

Kolb Studio

KOLB STUDIO コルブ兄弟によって1906年に建てられた5階建ての建物(大部分が復元) コルブ兄弟は写真家&冒険家としてグランドキャニオンで生計を立て、スタジオはグランドキャニオンを訪れる旅行者の記録を75年間納め続けました

 

展示コーナー 昔の映写室

スタジオ内はコルブ兄弟がコロラド川を探索した際の展示品やグランドキャニオンで撮影された作品のギャラリー、お土産ショップとなっています

コロラド川探索の記録映像を1976年まで毎日映写していた映写室の様子を見学することも可能

 

ブライト・エンジェルトレイル 

ブライトエンジェルトレイル口

ブライト・エンジェル・トレイル マーサ・ポイントからリムトレイルを約4.5km歩きグランドキャニオンで一番人気のトレッキングコース ブライト・エンジェル・トレイル口に到着(ハーミッツ・ロードのシャトルバス乗り場はこのすぐ先)

マーサ・ポイントからここまでのリムトレイルは5km近い距離ですが舗装された遊歩道は緩やかなな下り坂、右手にはグランドキャニオンの絶景が絶えず眺められるので疲れを全く感じません 途中ビジターセンター&歴史的建物見学でのブレイクも挟めるお勧めのコースです

 

トレイルの様子

ノースリムまで延々30km以上続くブライトエンジェルコースですが疲れない程度に少しだけトレッキング

 

トレイルから見たキャニオン

少し下るだけで崖上を見上げるようになります グランドキャニオンで上下移動のトレッキングは崖を下るしかありません 普通なら登ってから下りますがここでは下ってから登るスタイル

 

つづら折りのトレイル

九十九折のコースでひたすら下ります 下るごとに気温が上がるので夏場は十分な水分と暑さ対策が必要

30年前初めて訪れた時に日帰りでコロラド川往復にチャレンジしましたが2リットルと少しばかりの食料ではまるで足らずプラトー・ポイント間の往復がやっとでした

2度目のチャレンジは4リットル以上の水と食料をしっかり用意し日の出と同時に出発 コロラド川往復リベンジとなりましたがクタクタに疲れ果てました(往復で25km 平坦な箇所は少なく、ほぼ登りか下り)

今となってはロバに乗らないと行けそうもありません 30年の年月で体力は落ちましたが、それ以上に財力が上がってないのが今後の課題です

 

岩をくり抜いたトンネル 

下り過ぎると登るのが大変になってしまうので適当な所で切り上げトレイル口にもどりこの日のトレッキングは終了

シャトルバスでビジターセンターに引き返した後、キャンプ場に戻り再チェックイン お昼・サイト設営をして午後はキャンプ場で少しゆっくりして夕陽散策に備えました

 

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ハーミット・ロードでのビューポイント巡り

 

お鈴
お鈴
午後はゆっくり過ごした後17:15にキャンプ場を後にしてサウスリムの西端エリアへ

 


ハーミット・レスト方面はシャトルバスでしかアクセスできないので車をバックカントリー・インフォメーションセンター近くのD駐車場に車を停め、ブライト・エンジェル・トレッキング口からシャトルバス乗車

 

シャトルバスルート

シャトルルート

画像はwww.nps.govより

グランドキャニオン・ビレッジから、西へ向かって伸びる道がハーミット・ロード(Hermit Road) シーズン中は車の乗り入れが禁止されているので赤ルートのシャトルバスにてアクセス ハーミッツ・レストまでの約12kmの間に9つのビュースポットがあり停車順は図の通りとなっています

シャトルバスは往復だけで80分、最西端のハーミッツ・レストまでは各ポイントに停車しますがビレッジに戻る復路は停車ポイントが限られるので注意が必要です

ビレッジに戻るハーミッツ・レストの最終便は日没の45分後に出発 乗り遅れないように注意しましょう

 

マリコパ・ポイント

Maricopa Point

最初のビューポイントマリコパ・ポイントから東方向を望みます 陽が傾きはじめ、渓谷に影が伸び始めました

The Buttleship(1,780m)の岩山の先にプラトー・ポイントへのトレッキング道が確認できます  ※プラトー・ポイントの標高は1,146m コロラド川は約760mを流れます

 

Maricopa Point

左手下に見えるDana Butte(1,513m) 地質学者であり火山学者のJames Dwight Danaから名付けられています

 

パウエル・ポイント

Powell Point

続いてのパイント パウェル・ポイント コロラド川を探索したジョン.W.パウエルの名に因んで名付けられ、ビュースポットには花崗岩の記念碑が建てられています

 

Powell Point Powell Point

パウエル・ポイントから望む東西それぞれの景色 正直マリコパ・ポイントとあまり変わらずコロラド川の川面も見えません

 

Powell Point

マリコパ・ポイントとパーミット・ポイントの間にはかつて操業していた鉱山の跡地を見る事ができます(一時は崖にホテルを作る計画もあったようです)

以前は崖上に採掘作業用のヘッドフレームを見る事ができましたが2009年に撤去 時と共にパインツリーで跡地も分からなくなることでしょう

 

ホピ・ポイント

Hopi Point

続くホピ・ポイント ホピ・ポイントは広い眺望のため、グランドキャニオンで夕日と日の出を見る最高のポイントと言われています

 

Hopi Point

このホピ・ポイントまで来て初めて北方向に進路を変えるコロラド川沿いの西側の渓谷全体を見渡せるようになります

 

松と太陽

ポピ・ポイント付近にての一枚 日の入りが近づいてきたので先を急ぎます

 

ハーミッツ・レスト

Hermits Rest

夕刻が近づいてきたのでホピ・ポイントからは一気にハーミッツ・レストへ(飛ばしたポイントはMohave Point、The Abyss、Monument Creek Vista、Pima Point)

舗装路でアクセスできるサウスリムの最西端でブライト・エンジェル・トレイルのシャトルバス乗り場から約40分かかります

 

Grand Canyon National Park: Hermits Rest 20100612_5852

ハーミッツ・レストもメアリー・コルターの設計による建物で1914年に建てられ、巨大な暖炉とフロントポーチを備えています 建物ができる以前、カナダ人探鉱者が隠匿者のようにこの場所で暮らしていたことから「隠匿者の休息所」という呼び名となりました

寅吉
寅吉
夕景的には今ひとつだったので、シャトルバスでスキップしたモハベ・ポイントへUターン

 

モハベ・ポイント

モハベ・ポイント ホピ・ポイントと並び夕陽鑑賞のスポットとして人気の場所 今回はここから夕陽鑑賞することにしました 東の空は既にイイ感じ♪

 

この場所を選んだのはコロラド川の川面が一番よく見えるから 川面が黄金色に輝くかも? と密かに期待してのモハベ・ポイント

 

19:45 グランドキャニオンの彼方に陽が沈みます 残念ながらコロラド川の川面は黄金に輝きませんでしたが渓谷の縁に落ちる夕陽はバッチリ見ることが出来ました 夕陽を眺めるのはフォルサム・レイク以来?

 

東方面の空のグラデーションは刻々と変化し、夕陽を浴びて赤く輝いていたグランドキャニオンの岩肌は時間と共にその輝きを失っていきます

 

深い谷底は一足先に夜のとばりが落ち始めているようです Isis Templeも夜の眠りにつこうとしていました

人間にしたら長い一日も長い歴史を重ねたグランドキャニオンにとっては刹那以下の時間

そんな時間を数百万年費やして生まれたグランドキャニオンは何度見ても飽きることのない絶景でした

 

お鈴
お鈴
夕陽が沈んでからシャトルバスに乗りキャンプ場には20:30過ぎに戻り リムトレイル編終了です

 

 

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次はもっと上手に旅します

 

超まとめ

  • 絶景写真・自撮りを求めて転落死ニュースの主人公にならないよう注意!!
  • リムトレイルを歩くならマーサポイントから西方向へ歩くと緩やかな下り
  • マーサポイント~ブライトエンジェルトレイル口は4.5kmとそこそこの距離だが絶景続きで疲れ知らず
  • メアリー・コルター設計の建物は100年以上の年代モノ 休憩ついでに見学推奨
  • 水平移動だけでなくブライトエンジェルトレイルを行ける範囲でトレッキング
  • ハーミッツ・ロードのシャトルバスは往復で80分 時間には余裕を持つ
  • 東行のシャトルは停車バス停が限られるので注意
  • 夕景撮影は撮影ポイントより撮影技術が何より重要
  • 次のグランドキャニオンは雪景色のサウスリムかノースリム!!
  • アメリカンドライブ この日の走行距離: 約27km 累計走行距離: 約12,236km